鍼（はり）とマッサージの効果の違い

【記事更新日】令和６年２月６日

【筆者】岡田匡史（鍼灸・マッサージ師）

数年前に、「肩こり」で鍼灸院に来られた女性がいます。

その方は、肩が張ってくると頭も痛くなるので、定期的にマッサージに行っていると言っていました。

マッサージを受けた後は、肩がスッキリし楽になるようですが、すぐに戻ってしまう事が難点だったようです。

何か良い方法がないか調べて、「鍼灸」を試しにきたようでした。

その為、鍼灸治療が終わった後に、「この効果はいつまでもつのですか？」と、何度も聞かれた事を思い出します。

おそらく、「マッサージより長く筋肉が凝らずに持つのかな？」と、思って聞いてきたのでしょう。

はり治療の効果としては、一時的な効果を考えるよりも「マッサージ」と違って、定期的に受けていると以前より「肩こり」が気にならなくなってくる事が多いです。

マッサージの場合だと、もっと強く・もっと長くマッサージを受けたくなる傾向があり、筋肉も押された力に負けないように、硬くなっていく感じを受けます。

これでは、良くしているのか・悪くしているのか分かりません。

また、はり治療の場合ですと、肩こりだけでなく、他の症状が良くなる事があります。

例えば、

最近、「頭痛が減った」・「めまいがおきなくなった」・「良く眠れるようになった」・「生理痛が減った」・「食欲が出てきた」・「お通じが良くなった」・「血糖値が下がった」など、身体の調子が上向いている事を聞きます。

これは、ただ凝っているところを揉んでいる「マッサージ」では、起こらない事

です。

このような効果がある理由は、東洋医学を専門とする鍼灸院では、「五臓」の働き・バランスに着目して施術をしているからです。

あまり知られていませんが、「五臓」の不調・バランスが崩れると様々な症状が現れます。

はり治療は、この根本を改善するので、「肩こり」だけでなく、その他の症状も一緒に改善してくのだと思います。

この辺りが、「マッサージ」との効果の違いだと思います。

ただ、人によって揉んでもらうのが好きな方もいます。そのような方は、マッサージを受ければ良いのではないでしょうか。

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