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自律神経失調症専門おかだ鍼灸院 

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鍼灸一筋の独り言(ブログ)

鍼治療の効果は、本数・深さ・時間と関係があるの?

目次

1.鍼治療は、たくさん鍼を刺された方が効果があるの?

2.鍼治療の効果は、刺す深さと関係があるの?

3.鍼治療の効果は、時間と関係があるの?

鍼治療は、たくさん鍼を刺された方が効果があるの?

鍼治療
「素人の目」と「プロの目」の違い

最終更新日:令和5年10月5日

筆者:岡田 匡史(鍼灸師)

 

鍼灸(東洋医学)に興味を持たれている方ですと、「ユーチューブ」や「ネット」で体中に鍼を刺されている「動画」や「画像」を見た事があると思います。

 

そのような「動画」や「画像」を見ると、体調不良の方でしたら、「たくさん鍼を打たれると効きそうだな!」と思うかもしれません。

 

また、「鍼治療って痛そうだな?」と、思う方もいるでしょう。

 

初めて、鍼灸院に来られた方の中には、「何本はりを打ってくれるんですか?」・施術後に「何本はりを打ちましたか?」と聞く患者さんもおられます。

 

もしかすると、同じ料金なら、たくさん鍼を打ってもらった方が「お得!」と思っているのかも知れません。

どこかの口コミサイトにも「安くてたくさん鍼を打ってもらえるので通っています!」と、いう口コミを見た事があります。

 

しかし、鍼灸のプロの目からみると、「たくさん鍼を打った方が効果がある」・「お得!」というわけではありません。

 

例えば、

薬で考えた場合、たくさん飲めば効果があるというわけではありませんよね。

 

適量を守らずに多く服用すると、「副作用」を起こし体調不良になる事もあります。

 

鍼の本数は、少ないぐらいで丁度良い

鍼灸でも同じです。

 

その人・その人に合った、「適量の刺激(本数)」があります。

 

50本も100本も鍼を打つ必要がありません。

 

鍼灸(東洋医学)では、「脈」・「お腹」・「舌」・「ツボ」に現れる微妙な異常を察知し、五臓六腑のバランスを整えるのです。

 

この微妙なバランスを整えるには、たくさんのツボへの刺激は要りません。

 

かえって、たくさん鍼をするとアンバランスを引き起こし、「お得!」どころの話ではなくなります。

 

鍼灸治療は、少ない本数で充分な効果を発揮します。また、患者さんへの肉体的な負担も少なくすむのです。

 

鍼治療の効果は、刺す深さと関係があるの?

病の場所(浅・深)で刺す深さが変わる

鍼灸治療では、患者さんの体の状態によって「浅く鍼を刺したり」・「深く刺したり」使い分けをします。

 

使い分けるには、理由があります。

現れている「病」が、表面のものであれば深く刺す必要がなく「浅い鍼」で効果を得る事ができます。

 

逆に、現れている「病」が深いものであれば、浅い鍼では効果がありません。「深く刺す鍼」が必要です。

 

具体的にお伝えすると、

風邪の引き始めは、寒気がしたり・頭痛がしたり・肩が凝ったり・鼻や喉に違和感を感じたりする事があると思います。このような時に、脈診をすると「浮脈(ふみゃく)」と呼ばれる脈を察知します。

 

これは、「病が浅いところにありますよ!」と教えてくれます。

 

このような時には、「浅い鍼」を行うと効果を得るのです。

 

しかし、風邪をこじらせてしまった方の場合は、「病」が深いところへ移動し「浮脈(ふみゃく)」を表しません。

症状は、喉の痛み・発熱・咳・胃腸症状などの「深い病」が表れています。

 

このような時は、やや深めの鍼を行うと効果を得る事ができます。

 

ただ、一般の方の中には、どんな体の状態でも深く刺した方が効くと思っている方もいるようです。

 

私の鍼灸院に来られた年配の方にも、「以前、通っていた鍼灸院では深く刺してもらっていた。深く刺してもらうと「ズーン」と響いて気持ちが良い!」と言っていた方もいます。

 

この方が、深い鍼で喜んでいた理由としては、その当時は、「病が深い所にあった」からだと思います。

 

しかし、同じ方でも「体の状態」は、日々変化しています。そして、同じ症状でも、病が「浅い位置」の場合もあるのです。

 

また、鍼灸には、いろいろな流派のようなものがあります。

鍼灸院によって、「浅い鍼」を基本的に行うところ。「深い鍼」を行うところがあります。どちらのタイプの鍼灸院も、それぞれ効果を出しているようです。

私の鍼灸院では、基本的に「浅い鍼」で数ミリ程度の事が多いです。

なぜかというと、自律神経失調症で「めまい」・「動悸」・「食欲不振」・「頭痛」を訴える方が多いからです。自律神経の乱れやすい方は、とても敏感の方が多く、深い鍼だと刺激が強くて効果が出にくいのです。

 

浅い鍼の場合は、刺激が弱く「副交感神経」を鼓舞します。いわゆる、「リラックス」できるのです。

そうすると、今まで張りつめていた緊張が緩み、「血流が良くなったり」・「筋肉の緊張がほぐれたり」・「内臓の働きが良くなったり」・「動悸が落ち着いたり」するのです。

 

ただ、私の鍼灸院でも坐骨神経痛などでは、臀部に深く刺す事もあります。

鍼治療の効果は、時間と関係があるの?

「長い時間」と「短い時間」どっちが良いの?

鍼治療は、長く時間をかけて施術をした方が効果が「あるのか?」・「ないのか?」というと、長く時間をかけたからといって効果があるとは限りません。

 

なぜなら、長い「時間」は、体に与える刺激も強くマイナスになる場合があるからです。

 

あなたは、温泉に行って「湯あたり」・「湯疲れ」をした事がありませんか?

温泉に長時間入ったり・頻回に入った事で、だるさ・食欲低下・下痢・頭痛・のぼせなどを発症する事があります。

 

また、リラクゼーションなどで、長時間のマッサージを受けた次の日に「もみ返し」を味わった事がある方もいらっしゃると思います。

 

これらは、長時間、「湯に浸かっていたり」・「筋肉を揉まれ続ていた」からです。

適度の刺激であれば、体の疲れもとれて、リラックスできたと思われます。

 

鍼灸も同じです。1時間も2時間も長時間の施術は、必要ありません。本当に体の弱っている方では、それだけで疲れてしまいます。

 

大切な事は、長時間の施術ではなく回復を阻害する「ポイント(五臓六腑の変調)」を見つける事です。そして、必要なところだけに鍼灸を行います。そうすると、短い時間で効果を発揮します。また、弱っている患者さんも疲れません。

プロフィール

岡田匡史(おかだまさし)
1978年生まれ
経歴

1日400人以上来院する整形外科・都内の鍼灸整骨院で鍼灸の施術とリハビリを担当する。

取得国家資格

・はり師
・きゅう師
・あん摩マッサージ指圧師
・柔道整復師