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自律神経失調症専門おかだ鍼灸院 

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鍼灸一筋のひとり言

機能性ディスペプシアによる「胃もたれ」に効果のあったツボ!

【筆者】岡田 匡史(鍼灸師)

機能性ディスペプシアと鍼灸のお話し

【最終更新日】:令和6年3月21日

【筆者】岡田 匡史(鍼灸師)

 

鍼灸院に来られる方の中には、「少し食べただけで胃もたれがして食べられない」・「体重が何㎏も減ってしまった」・「病院で検査をしても異常がなかった」などをお聞きする事があります。

 

このような方は、病院で「機能性ディスペプシア」と診断されている事が多いです。

機能性ディスペプシアとは?

症状の原因となる明らかな異常がないのに、慢性的にみぞおちの痛み(心窩部痛)や胃もたれなどのディスペプシア症状を呈する病気。

引用:日本消化器病学会ガイドライン

そして、薬を服用を続けていても効果を感じず、東洋医学(鍼灸)に興味を持ち来られています。

 

その年代は、学生から大人・ご年配の方まで様々です。

 

実は、このような症状で悩んでいた方は昔からいました。

 

以前は、胃アトニー・胃下垂・神経性胃炎などと言われています。

昭和に活躍していた鍼灸の先生の著書にも、胃アトニー・胃下垂でお困りの方が、鍼灸で改善された症例をみます。針灸治療の実際・上巻(創元社)1966年12月1日 発行)

その事からも、機能性ディスペプシアによる「胃もたれ」は、東洋医学(鍼灸)の得意分野である事がわかります。

 

ただ、実際の経験から、慢性化したものは数回施術を受けたからといってすぐに改善する事はありません。

根気よく(3ヵ月・半年・1年)続けて行くと、だんだん食べられるようになり、減ってしまった体重も増えていく方をみています。

 

ここでは、「機能性ディスペプシア」や「食べ過ぎ」による胃もたれに、効果があった『ツボ』をご紹介しています。

 

胃もたれに効いたツボ!

足三里(あしさんり)
胃もたれに効いたツボ(足三里)

このツボは、脛(すね)にあるツボです。

 

特徴としては、

足がだるく脛の筋肉が張っていて、「食欲がない方」に効果を発揮します

 

何故かというと、この脛には、足の陽明胃経(ようめいいけい)と呼ばれている経絡が通っています。

 

胃経と名前があるように、この経絡(気血の通り道)は、胃につながっています。その為、胃の不調があると、気血の流れが悪くなり「足のだるさ」として現れてくるのです。

 

ツボの見つけ方は、

まず、膝を90度に曲げて立たせます。

 

そうすると、膝のお皿の下に太いスジが見えます。

 

このスジは、大腿四頭筋腱と呼ばれる腱です。

 

この腱の外側には、外膝眼(がいしつがん)と呼ばれる「ツボ」があります。

 

このツボから、3寸下(人差し指~小指の幅)に足三里があります。

足三里(あしさんり)

主治:諸種の慢性病及び消化器疾患を主る。胃痙攣胃炎胃アトニー胃下垂症等の胃疾患より、神経衰弱・ヒステリー・神経症~(略)其他慢性病の一切に効く

参考文献:鍼灸治療基礎学(医道の日本社)

膈兪(かくゆ)
胃もたれに効いたツボ(膈兪)

膈兪は、両方の肩甲骨の下端を線で結んだ線上にあるツボです。

 

この肩甲骨下端のラインと正中線が交わる所(第7・第8胸椎間)から、1寸5分離れた場所にあります。

 

参考:1寸は、親指の太さ。1寸5分は、親指の幅+半分の幅

ツボに反応が出ている方は、グリグリと硬くなっている事でしょう。

 

私がこのツボを使う時は、瘀血(おけつ)がある方です。

 

この膈兪は、もともと血会(けつえ)と呼ばれていて、血のトラブルで不調が現れている時に用います。

 

瘀血(おけつ)は、「消化器系」のトラブルを起こす事があります。

そのため、胃もたれを起こしている方に、反応が出ている事をみかけます。

 

また、膈兪は、「胃の六つ灸」の1つです。昔から、胃腸の不調の時に使われていました。

 

この事からも、胃の不調に効果がある事がうなずけます。

膈兪(かくゆ)

主治:肋膜炎・肺門腺結核・胃酸過多症・空腹時痛・ムネヤケ・胃潰瘍・食道狭窄・幽門狭窄・胃アトニー・胃下垂症・胃神経症・神経衰弱・ヒステリー・気管支炎等を治する。

参考文献:鍼灸治療基礎学(医道の日本社)

肝兪(かんゆ)
胃もたれに効いたツボ(肝兪)

肝兪は、第9・第10胸椎間から1寸5分離れた場所にあります。

 

このツボは、肝の働きを良くするツボです。もともと、肝臓は、胆汁を生成する臓器なので小腸での脂肪の消化・吸収を助ける働きがあります

また、このツボも「胃の六つ灸」の1つなので、胃疾患に効果がある事がうなずけます。

肝兪(かんゆ)

胃痙攣(神経性胃痛)・慢性の胃弱・黄疸等の胃・肝臓疾患に効く。

参考文献:図解鍼灸実用経穴学(医道の日本社)

脾兪(ひゆ)
胃もたれに効いたツボ(脾兪)

脾兪は、第11・第12胸椎間から1寸5分離れた場所にあります。

 

東洋医学で考えられている脾臓は、食べた物を消化吸収しエネルギーにする大切な臓器です。

 

この脾が弱ってくると、食欲がなくなったり・だるくなったり・肌肉が痩せてきます。

 

その為、胃もたれがある方は、脾兪に反応が出ている事をみかけます。

また、このツボも「胃の六つ灸」の1つなので、胃疾患に効果があります。

 

脾兪(ひゆ)

主治:胃痛・胃炎・胃痙攣・胃潰瘍・胃アトニー・胃下垂症・消化不良・食欲不振等の胃疾患を主る。

参考文献:鍼灸治療基礎学(医道の日本社)

お灸のやり方

お灸

初めての方は、台座灸(だいざきゅう)と呼ばれるタイプをお勧めします。

 

このお灸は、下に両面テープが貼ってありシールを剥がすと、ツボにピッタリくっつきます。

 

その為、火の着いたお灸が落ちるという事はありません。

 

また、もぐさが直に皮膚に触れない為、火傷をしにくく・温かくて気持ちの良いタイプです。

昔ながらの本格的なお灸をやってみたい方は、「透熱灸」のやり方を見て下さい。

プロフィール

岡田匡史(おかだまさし)
1978年生まれ
経歴

1日400人以上来院する整形外科・都内の鍼灸整骨院で鍼灸の施術とリハビリを担当する。

取得国家資格

・はり師
・きゅう師
・あん摩マッサージ指圧師
・柔道整復師