鍼灸師がお勧めする「坐骨神経痛」を和らげるツボ！

最終更新日：令和５年８月１５日

【筆者】岡田　匡史（鍼灸師）

坐骨神経痛は、名前の通りに坐骨神経の走行に沿って出る痛みやしびれです。

主に臀部や太ももの後ろ・ふくらはぎなどに起こります。

鍼灸院に来られる方の中には、「坐骨神経痛＝病名」と、思っている方が多いです。

しかし、病名ではなく「症状名」になります。

鍼灸院に来られる方の多くは、梨状筋症候群・変形性腰椎症・腰椎椎間板ヘルニア・腰椎すべり症・脊柱管狭窄症などの疾患からくる坐骨神経痛です。

その方達を施術する中で、「良く効くツボだな～」と、思うツボに跗陽（ふよう）があります。

なぜ、そのように思ったのかというと、立ち上がるとお尻から太ももが激痛という方（脊椎すべり症）にお灸（透熱灸）を３１壮ほどすると、お尻や太ももに触れてはいないのに急に楽になった方がいました。（※効果には個人差があります）

また、慢性の腰椎椎間板ヘルニアの方にも毎日かかさず台座灸（約２か月）を自宅でやってもらっていたところ、痛みや痺れが減り日常生活が楽に過ごせるようになりました。（※効果には個人差があります）

首藤傳明症例集（医道の日本）にも「跗陽は腰下肢の痛みに特に効果がある」と、書かれています。

これらの事から、このツボが坐骨神経痛に良い事がわかります。坐骨神経痛でお悩みの方は、ここを押して痛みがある方は、お灸をすると良いでしょう。

ただ、反応が現れていない方は、他のツボを選んで下さい。

このツボは、アキレス腱の外側にあります。

外踝（そとくるぶし）の上３寸（中指から小指まで幅）の骨際にあります。

ココを押して痛みが出ている場合は、跗陽を使います。

大腸兪は、腰にあるツボです。

腰椎の４番と５番の間から、１寸５分離れた場所にあります。

腰椎の４番と５番の間は、左右の骨盤の上端を線で結んだところにあります。

１寸５分の長さは、親指の幅が１寸になるので、【親指の幅】＋【親指の幅（半分）】になります。

殿圧は、骨盤の出っ張ている骨（上後腸骨棘）と股関節の出っ張ている骨（大転子）を線で結んだ真ん中にあるツボです。

この下には、梨状筋と呼ばれる筋肉があります。

この筋肉が硬くなると、その下を通っている坐骨神経を圧迫し、坐骨神経痛を引き起こします。

この筋肉を緩める事で、坐骨神経痛の改善・緩和を狙います。

殷門は、太ももの後ろ側の真ん中にあります。

このツボの下は、坐骨神経が通る所です。神経痛がある方は、このツボを押すと痛みを生じる事が多いです。

委中は、膝の裏側の真ん中にあるツボです。

このツボの下には、坐骨神経から分かれた脛骨神経が通ります。神経痛のある方は、押すと痛みを生じる事が多いです。（注意！この場所は敏感なので強く押さないようにしましょう）