埼玉県幸手市・久喜市で鍼灸院をお探しの方
自律神経失調症専門おかだ鍼灸院
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更新日)令和2年12月21日
私は、鍼灸院に来られた方の説明で『腎』が弱っているから
などのお話をする事があります。
しかし、その説明を受けた方の中には、『えっ!腎臓が病気なんですか?』と、不安になってしまう方がいます。
実は、鍼灸師が言っている『東洋医学の腎』と一般の方が考えている『西洋医学の腎臓』は、イコールではありません。
今から200年以上前に杉田玄白が、オランダ医学の解剖書を翻訳して「解体新書」を発行しました。
これには、もともと日本で使われていた東洋医学の「五臓六腑」の名称を、オランダ医学の解剖書に当てはめて翻訳されました。
その結果、
「名前は同じだけれど、まったく同じ働きではない」と、いう混乱が起こるようになりました。
東洋医学では、万物を木・火・土・金・水の性質に分類した表があります。
これを五行色体表(ごぎょうしきたいひょう)と言います。
この表を応用する事により、腎の弱りで『どのような病気が起こりやすいのか?』・『どのような体質なのか?』を知る事ができます。
例えば、
これらは、全て腎と関係のある事です。※五行色体表を参照
五行 | 木 | 火 | 土 | 金 | 水 |
五臓 | 肝 | 心 | 脾 | 肺 | 腎 |
五季 | 春 | 夏 | 土用 | 秋 | 冬 |
五華 | 爪 | 面色 | 唇 | 体毛 | 神 |
五根 | 目 | 舌 | 口 | 鼻 | 耳 |
五神 | 魂 | 神 | 意 | 魄 | 志 |
五志 | 怒 | 喜 | 思 | 憂 | 恐・驚 |
五労 | 歩 | 視 | 坐 | 臥 | 立 |
五味 | 酸 | 苦 | 甘 | 辛 | 鹹 |
五色 | 青 | 赤 | 黄色 | 白 | 黒 |
東洋医学では、お腹で五臓(肝・心・脾・肺・腎)の状態を知る方法があります。
これを腹診(ふくしん)と言います。
本来、お腹は、赤ちゃんのようなふっくらしたお腹が良いとされています。
しかし、鍼灸院に来られる方の多くは、このような健康的なお腹をしていません。
所々がシコリのように硬くなっていたり・冷たくなっていたり・鳩尾(みぞおち)やお臍周りが硬くなっていたり・季肋部に指腹が入らなかったりします。
そして、腎の弱りがある方は、下腹部が軟弱になっています。
このような反応は、ご高齢の方によくみられます。(※若い方にもあります)
精とは、人体の成長・発育・生殖などの生命活動に必要とされるエネルギーの基礎物質の事です。
そして、東洋医学では、両親から受け継いだ先天の精を『腎』に内蔵していると考えています。
この先天の精は、飲食物から得られる『後天の精』によって補充されます。
このように腎は、精を蓄えて成長・発育・生殖を管理し、五臓六腑の精を調節しています。
腎が弱ってしまうと、
不妊症・発育不良・精液の減少・遺精などが起こると考えられています
先天の精が変化したものを『原気(元気)』と言います。この原気は、生命活動(食欲・性欲・生きようとする力)の原動力となるものです。
原気(元気)は、臍下丹田(下腹部)に集まり、全身にめぐります。
この原気(元気)がある人は、下腹部に力があり内臓の働きも良く・活動的・病気にかかりにくい状態です。
逆に、原気(原気)のない人は、下腹部に力がありません。内臓の働きも悪くなり・活動も減り・疲れやすく・病気になりやすい状態になります。
腎は、身体に津液(体内に有益な水分)を留めたり・排泄する働きがあります。
この作用が落ちると、むくみ・尿の量が減る・頻尿・下痢などが起こるります。
腎精は、骨を養う髄(骨髄)を生み出すと考えられています。
その為、腎が弱り腎精が不足すると、髄を生み出せません。
そうすると、骨が弱くなる(骨粗鬆症)・腰が曲がる・歯が抜けるなどの症状が現れます。
また、脳は『髄海』と呼ばれていて、脳は髄の集まりだと考えられています。
腎精が不足すると、髄を生みだす事ができなくなるので『知能の発達が悪くなる』・『物忘れ』・『めまい』などの症状が現れます。
東洋医学では、『腎は耳に開竅(かいきょう)する』と言われていて、耳とつなっがっていると、考えられています。
腎がしっかりしていれば、音を良く効き分ける事ができます。(正常な聴力)
しかし、腎が衰えてしまうと難聴・耳鳴りなどの症状が現れます。
五行色体表(五志)によると、腎は、恐・驚の感情と関係がある事が分かります。
腎の弱っている人は、何となくオドオドしている感じが見受けられます。(不安感が強い)
このような方の中には、誰かに手を握っていてもらわないと、施術を受ける事が出来ない方もいました。
五行色体表(五神)によると、腎は『志』と関係があります。
これは、目的をもって、思いを持続させる心(精神)と関係があります。
だから、細かい作業でもやり抜く力がある人は、腎がしっかりしているという事です。
逆に、飽きっぽくて集中力がない人は、腎が弱っているかも知れません。
呼吸は、肺だけで行われていると思われていますが、深い呼吸には、腎が関係しています。
この事は、『腎は納気を主る』と、東洋医学で言われています。
深呼吸をしても、深く吸えない方は、この納気作用が低下が考えられます。
腎は、何をしまい込むのかというと、精・尿・大便・経血・胎児などです。
腎のしまい込む力(封蔵)が弱まると、『早漏・遺精』・『尿漏れ・尿失禁』・『大便失禁・下痢』『不正出血』・『早産・流産』などが起こると考えれれています。
東洋医学系の鍼灸院では、『病名』や『症状』で施術をするのではなく、脈・お腹・ツボなどの反応から『五臓』の不調を見つけ出し施術を行います。
その為、
など、症状が問題ではなく『腎』が弱っていると判断した場合は、『腎』を強めるツボに鍼灸を行います。
このように、大元にアプローチをする事により、お悩みの解決に導きます。
【参考図書】