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鍼灸一筋のひとり言

更年期の動悸を鎮めたツボ!

動悸を鎮めるには、腎へのアプローチが必要

動悸

最終更新日:令和5年10月9日

筆者:岡田 匡史(鍼灸師)

 

先日、更年期の不調でお困りの方に、「私の動悸はなぜ起こるのでしょうか?」と、質問を受けました。

 

その方の脈は、安静にしている状態でも脈拍が90回を超えていました。

 

特に不整脈はありません。

 

東洋医学では、このような速い脈を「数脈(さくみゃく)」と言います。

 

主に、自律神経(交感神経)が興奮している状態を表しています。

 

体質的に速い脈の方であれば、特に気にならないと思います。

 

しかし、もともと脈が速くない方だと、歩いているような状態なので、「鼓動」を強く感じてしまうのかも知れません

 

そして、脈を詳しくみていくと、五臓(肝・心・脾・肺・腎)の「肝」と「腎」が弱い事が分かりました。

 

腎は、「生命力の源」になるので、加齢と伴に弱くなる傾向があります。

【参考】

  • 東洋医学では、脈から五臓六腑の状態を知ります。
  • 東洋医学と西洋医学の「肝臓」と「腎臓」は、イコールではありません。

やや難しい話になりますが、東洋医学では万物を5つの要素(木・火・土・金・水)に分けました。

 

五臓では、

  • 肝は、木の性質
  • 心は、火の性質
  • 脾は、土の性質
  • 肺は、金の性質
  • 腎は、水の性質

 

と分類されています。

そして、お互いに干渉しあい「バランス」をとっています。

 

もともと、腎(水)は、心(火)が暴れないように抑える働きがあります。

 

車で例えるなら、

腎は、ラジエーターの水・心は、エンジンのような関係です。

 

十分な水があれば、エンジンは熱くなり過ぎず、正常に動きます。

 

しかし、ラジエーターの水が少ないと、エンジンを冷やす事ができずに「オーバーヒート」してしまいます。

この女性の場合も、腎の(水)が弱く、心の(火)が強くなっていました。

 

そうすると、心の火が強くなるので、鼓動は速くなり・バクバクと「動悸」として感じるのです。

 

そうなった場合は、まず、この心の火を鎮めれば、動悸がおさまってくる事が分かります。

 

その為には、腎(水)を元気にしてあげれば、良いのです。

 

実際、この女性に腎の経絡上(気血の通り道)のツボを使って施術すると、「落ち着いてきました!」と、おっしゃっていました。

 

 

心(火)を落ち着かせ「動悸」を鎮めるツボ

私(鍼灸師)が良く使うツボは、照海・太谿・復溜・築賓などです。

 

これらは、足の少陰腎経と呼ばれる経絡上(気血の通り道)にあります。

 

この経絡は、腎までつながっているので、ツボを刺激する事によて腎(水)の弱りを改善してくれます。

 

ツボの選び方は、

皮膚の凹み・ざらざら・張っている・コリ・硬化・摘まんで痛いなど、他と比べて異なる感覚を指で探して、鍼をしています。

 

この女性の場合は、

太谿穴の上5寸に張りを感じたので、築賓を使用しました。(下記の図参照)

 

ちなみに、

  • 親指の幅は、1寸
  • 人差し指から薬指の幅は、2寸
  • 人差し指から小指までの幅は、3寸

になります。

 

 

その他のツボは、

  • 照海は、内果の下1寸
  • 太谿は、内果とアキレス腱の間の凹み
  • 復溜は、太谿穴の上2寸
動悸を鎮めるツボ

ストレスや更年期・産後により、腎(水)が弱り・心(火)が強くなってしまったタイプの動悸には、これらのツボを使うと改善がみられる事が多いです。

 

また、東洋医学で考える「動悸」を起こす原因は、これだけではありません。

 

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プロフィール

岡田匡史(おかだまさし)
1978年生まれ
経歴

1日400人以上来院する整形外科・都内の鍼灸整骨院で鍼灸の施術とリハビリを担当する。

取得国家資格

・はり師
・きゅう師
・あん摩マッサージ指圧師
・柔道整復師